Diarrhea
下痢・便秘
下痢
繰り返す下痢でお困りの方へ
下痢は、水分を多く含む便のことをいいます。健康的な便の水分量は約70〜80％で、下痢を起こしている場合には約80〜90％の水分量になります。大腸の働きが低下したり過剰になったりすることで、便の水分量が増えて下痢を引き起こすのです。下痢によって急激に体の水分が失われると脱水症状が起こるおそれがあるため、水分補給を欠かさないようにしてください。また原因を明らかにして適切な治療を行なう必要がありますので、繰り返す下痢でお困りの方は、そのままにせずに大阪市城東区のわたなべクリニックへご相談にいらしてください。
下痢の症状セルフチェック
軽い症状の下痢が一時的に起こった程度であればそこまで心配はいらないものの、以下のような症状に当てはまる方はすぐに当院へご相談ください。
- 下痢が1ヵ月程度続いている
- 1時間に1回以上の下痢が起こっている
- 水のような便が出る
- 便に血や粘液が混じっている
- 排便しても腹痛が治まらない
- 下痢だけでなく、吐き気、嘔吐、発熱などもある
下痢の原因や種類
急性下痢
急激に起こり、短期間で解消される下痢です。食べ過ぎ、飲み過ぎによって便中の水分が増えて起こるものを「浸透圧性下痢」といい、細菌やウイルスが付着した食べ物を摂取して起こるものを「分泌性下痢」といいます。分泌性下痢は、アレルギー症状や薬の服用によっても起こります。急性下痢によって脱水症状が起こる危険もあるため、水分の摂取が難しい場合には速やかに受診してください。
慢性下痢
排便の回数にかかわらず、1ヵ月以上続く下痢は慢性下痢に分類されます。大腸が内容物を肛門側へ送る蠕動（ぜんどう）運動が過剰になると、水分が十分に吸収されないまま排便が起こります。これを「蠕動運動性下痢」といいます。また、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、大腸がんなどの病気が原因で起こるものを「滲出性下痢（しんしゅつせいげり）」といいます。病気が隠れている可能性があるため、下痢が長引いている場合は早めにご相談にいらしてください。
下痢をともなう病気
感染性胃腸炎
細菌やウイルスに感染することで起こります。代表的なものはノロウイルスやカンピロバクターです。感染性胃腸炎にかかると急に激しい下痢が起こる場合があるほか、発熱、吐き気、嘔吐などの症状もみられます。
炎症性腸疾患
（潰瘍性大腸炎・クローン病）
潰瘍性大腸炎およびクローン病といった慢性的な炎症性腸疾患によって、下痢が起こる場合があります。潰瘍性大腸炎は大腸がんのリスクを高めるため、定期的に大腸内視鏡検査（大腸カメラ）を受けて状態を確認することが重要です。
虚血性腸炎
虚血性腸炎は、大腸に栄養を送る血管の流れが悪くなることで、大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じる病気です。左脇腹や左下腹部に強い痛みが出て、下痢や血便の症状もみられます。このような症状があれば早期の受診が必要となります。
大腸ポリープ
大腸粘膜にいぼのような病変であるポリープが形成された状態です。基本的に無症状ですが、部位や大きさによって下痢や血便を引き起こす場合があります。大腸ポリープの多くは良性ですが、一部がん化するおそれがあります。
過敏性腸症候群（IBS）
腸に異常がみられないものの、下痢、便秘、腹痛、下腹部の違和感などの症状が慢性的に続く疾患です。原因は明らかになっていませんが、精神的なストレスや食生活の乱れなどが関係していると考えられています。
下痢の検査
問診では下痢の状態、回数、期間のほか、食生活、服用中の薬、患者さまやそのご家族の既往歴などを伺います。その後腹部の聴診や触診、さらに必要に応じて超音波検査（エコー）や大腸内視鏡検査（大腸カメラ）を実施します。院長は日本消化器内視鏡学会認定の「消化器内視鏡専門医」であり、痛みや不快感をできるかぎり抑えた検査を行ないますのでご安心ください。
下痢の治療
急な下痢の場合
急な下痢によって脱水症状が起こるおそれがあります。冷えた飲み物は避けて、十分に水分補給を行なってください。細菌やウイルスの感染で下痢を起こしている場合、周りの人にも感染が及ぶリスクがあるためこまめに手洗いするようにしましょう。また下痢の症状がある時には、調理、医療、介護、保育、学校などの仕事はできるだけ休むことが大切です。
慢性的な下痢の場合
慢性的な下痢は、胃や大腸などの病気が原因となっているケースが多いです。原因を明らかにして適切な治療を行なうことが重要ですので、お早めに当院へお越しください。下痢に加えて腹痛や血便の症状があったり、下痢と便秘を繰り返していたりする場合などは、病気が進行していることも考えられますので、早急に受診いただければと思います。
便秘
長引く便秘でお困りの方へ
十分量を快適に排便できていない状態が便秘です。排便の量や頻度には個人差があるものの、3日以上排便がない場合や、排便後に便が残っている感じがあってすっきりしない場合には、便秘と考えられます。便秘が慢性化すると日常生活に支障をきたすほか、いぼ痔や切れ痔をはじめとした新たな病気を引き起こすケースもあります。その逆で、重大な病気が原因で便秘が起こっている可能性も。大阪市城東区のわたなべクリニックでは便秘の原因に合った適切な治療をご提供しますので、長引く便秘でお困りの方は当院へご相談ください。
便秘の症状セルフチェック
毎日排便があっても便秘と診断されるケースもあります。このような症状に当てはまる方は当院を受診ください。
- 3日以上排便がない
- 排便をしても便が残っている感じがする
- 便が硬く、量が少ない
- 便意があるのにうまく便が出ない
- お腹が張っている
- 便秘だけでなく、腹痛、下痢、血便などもある
便秘の原因や種類
機能性便秘
大腸が内容物を肛門側へ送る蠕動（ぜんどう）運動が低下することで起こる便秘です。内容物が大腸の中に長く留まるため、水分が失われて便が硬くなります。水分摂取量の不足、運動不足、偏った食生活、ストレスなどが主な原因です。また、自律神経が乱れて大腸が緊張状態になり便秘を引き起こすケースなどもあります。
器質性便秘
大腸に腫瘍（がん、ポリープ）や炎症が起こっていたり、狭窄、癒着、閉塞といった形態異常が生じていたりする場合は器質性便秘に分類されます。
便秘をともなう病気
大腸がん
大腸粘膜に生じるがんで、多くはポリープが大きくなってがん化します。このため問題のあるポリープを早期に切除することで予防可能です。初期の大腸がんはほとんど自覚症状がなく、進行すると便秘、下痢、血便、腹痛などの症状が現れます。
過敏性腸症候群（IBS）
検査では異常がみられないものの、便秘、下痢、腹痛などが長期間続くことがあります。潰瘍性大腸炎やクローン病などと鑑別するためにも、まずは大腸内視鏡検査（大腸カメラ）や検便などを受けることが大切です。
腸閉塞（イレウス）
大腸の蠕動運動の低下などが起こり、内容物が肛門側に適切に流れなくなった状態です。腸閉塞の多くは、腹部の手術後に起こる組織の癒着が原因となります。よくみられる症状としては便秘や腹痛があげられます。
便秘の検査
問診にて症状や生活習慣などを伺ったうえで、超音波検査（エコー）、大腸内視鏡検査（大腸カメラ）、血液検査などを実施します。器質性便秘の可能性がある場合には、大腸がんなどの有無を確認するためにも大腸内視鏡検査を行ないます。大腸粘膜の状態を直接観察できる検査であり、鎮痛剤を用いて痛みや不快感を抑えますのでご安心ください。
便秘の治療
生活習慣の改善
水分摂取や食物繊維が足りていない場合には、水分補給や食生活の見直しをご提案します。またストレスや運動不足が便秘の原因となっているケースもあります。原因を知り、生活習慣を改善することで便秘を解消していきましょう。
薬物療法
生活習慣の改善に加えて、症状に応じた薬をお出しします。便の量を増やす薬、水分の分泌を促して便を軟らかくする薬、大腸の蠕動運動を向上させて排便を促す薬などがあり、患者さまに合う薬物療法をご提案します。